ヒノのブログ 〜道すがら〜

Twitterでは書き切れないことを書いていきます。

今朝見た夢。

自分は、ボロい超高層マンションのかなり高い場所に住んでいて、外壁は白か、クリーム色のような感じで、年季が入っているような、かなり黒ずんだ建物だった。
部屋はワンルームで、すすけた白い壁に白い蛍光灯。
部屋の中は昔のブラウン管が一つある他は、畳だけが広がった寂しい空間だった。
外はまだ昼時で、空は少し灰色がかっていた。
あるとき、急にそこの住人達が、次々と自殺をしていくのを、部屋のテレビで見ていた。
自分の住んでるマンションからどんどんどんどん飛び降りて行くし、家の前でナイフで手首を切って行く。
それが妙に現実的で、まるで、自分の事のように感じるのが、すごく気味が悪かった。
俺は気づいたらそこのマンションに住んでたんだけど、何故だかあんまり気にしてなかった。
でも、この高い場所に居るからか、なんだか部屋が地震かなにかで時々揺れるような感覚がしていた。
何だろう、と思ってふと窓から下を見ると、住人達が次々に窓から飛び降りて、地面に落ちて行く振動が、自分の部屋に伝わっていたのだった。
窓から見下ろしていた俺は、最初、本物の落下死体を目の当たりにして若干のショックを覚えたのだったが、
警察が死体に触れると、簡単に死体から脚がもげてしまって、直後、身体が粉砕するみたいに
、割れるように崩れてしまった。
そんな光景を見てしまって、遂には俺もなんだか恐ろしくなって部屋に閉じこもっていた。
その後、次第にマンションの前の通りには、おびただしい程の死体で溢れかえっていて、スーツを着た偉い人達が、生きている住人の自殺を止めようとしているのだが、もう皆、構わずに手首や心臓をナイフで突いていった。
しばらく恐怖で事態を飲み込めないでいると、
部屋の外からおっちゃんが一人、入ってきた。おっちゃんは開口一番に
「なんで逃げねぇんだっっっ!!」っていうようなことを怒鳴ってきて、ニュースでもウチのマンションの前で死体の山が取り上げられてると言って、この異常事態から一緒に逃げよう、と言ってくれた。
テレビでは、マンションの部屋の中が映されていて、人がたくさんいた。
子供が異様に多い事が特徴的だったが、みんな異常なくらいに暴れていた。
もしかしたら、住人に近づけば襲われるのか、と考えたが、どうやらそうでもないらしい。
それでも俺は半信半疑だった。
だからおっちゃんの存在はとても大きかったが、同時に、うかつに外へ出るべきでもないな、というのが個人的な率直な感想でもあった。
しかし、そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、おっちゃんは脇目も振らずに部屋から出て行った。
それが急に不安になって、俺もとりあえずおっちゃんの後を追うように、恐る恐る部屋を出てみた。

部屋の外は意外と誰も居なくて、でも遠くからすごく騒がしい声がしていて、誰も居ない階からわざわざ下へ降りていくのに、なんだか胸騒ぎがして、とても気が気でなかった。

おっちゃんが云うには、ここからはなんだか、実に夢の中にいるのだと思わせるような事を言われたのだけれど
そのおっちゃんが云うには、ここから逃げるとき、他の世界を選択出来る。
その世界へ逃げれば、大丈夫、とか言い出した。
世界ってなんだ?
普通に外へ逃げるんじゃ無いのか?
とか考えていたが、すでにまともでは無い現状に、そこまで驚かされるような事を言っているわけでもないのだ、という事を感じ取っていた。
つまり、そのおっちゃんの言葉に関しては、何故だか素直に飲み込むことが出来たのだ。
おそらくは俺も、そんな意味不明な言葉にもすがりたい程、逃げるという選択肢がある事に安心してしまっていたんだと思う。

おっちゃんはあとから付け加えるように、大勢の人が自殺をしだすのは、どうやらこの"世界"だけらしい。
兎にも角にも、今はその別世界へ逃げるために、この場から動かなかればならない、とおっちゃんは言って、ひとまず2人は一階を目指して慎重に行動を開始したのだった。

ちなみに、エレベーターなんて気の利くようなものはなかった。
階段で降りるとき、おっちゃんは振り返って何か言っていたのだが、夢だったのでよく覚えていない。



と、いうところで、夢は続きを見せてはくれずに、そこで終わってしまった。
今思えば、どうしてこんな夢を見たのか、さっぱり見当もつかなかった。
でもあのとき、死体が崩れたり、なんのためらいもなくナイフで自分を傷つけるところを見ると、そういうホラー系やショッキング系の画像や動画を見たあとの
言い様のない後悔と、少しの好奇心が入り混じった、あのなんとも言えないザワザワした感じとよく似ていると思った。